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Beauty Source キレイの魔法

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狭衣物語

巻一
狭衣中将は、帝の兄弟で関白・堀川の大臣を父に、先帝の妹で前斎宮の堀川の上を母にもち、学識・容貌に大変優れ、両親からも大切にされていたが、先帝の遺児で堀川の上が育てた源氏の宮を慕うものの、兄妹のように育てられたため思いを伝えられない。

五月五日の夜の宮中での管弦の遊びで横笛を吹いた狭衣は、天稚御子(あめわかみこ)に魅入られ昇天しそうになるが、帝に引き留められ、女二宮を降嫁されることになる。

盛夏となり、源氏の宮が『伊勢物語』を見ていたのに乗じて狭衣は思いを告げるが、宮は拒絶、狭衣を避けるようになる。狭衣は東宮に参上し、源氏の宮への思いを憶測された帰路で、仁和寺の威儀師(いぎし)に浚われた飛鳥井の女君を救って家へ送り届ける。女君は大宰帥中納言の娘で両親を亡くし、頼りにしている乳母に付いて奥州に下向することを、通ってくるようになった狭衣に打ち明けられない。

堀川の大臣の北の方の一人で子のいない洞院の上は、堀川の大臣の落胤という触れ込みの今姫君を引き取るが、母代や女房たちの品の無さに狭衣はあきれ返る。

狭衣の乳兄弟で従者の道成は、父が太宰大弐で筑紫に向かうのに伴い、飛鳥井の女君を連れ出そうとする。女君が自分の子を宿したと夢に見た狭衣が物忌で出かけられないままに、乳母は土忌と偽わって筑紫に向かう船に女君を乗せてしまう。女君は、狭衣の従者である道成を拒絶し、虫明(むしあけ)の瀬戸で身を投げようとする。

巻二
冬になり、源氏の宮への思いが募る一方、飛鳥井の女君のことも気がかりな狭衣中将に、乳兄弟・道季(みちすえ)は、兄・道成が連れ出した女君が入水したことから、飛鳥井の女君ではないかと伝える。

春になり、狭衣は大納言兼近衛大将に昇進するも、再び天稚御子に魅入られないかと人々は危惧する。弘徽殿に局を持つ中納言典侍(すけ)は、姉の大弐の乳母から狭衣の後見を頼まれていたが、典侍の局を訪ねた狭衣は、女二宮の琴の音を聞いて母屋へ入り関係を結んでしまう。女二宮は懐妊し、母・大宮は自分の子と偽り、狭衣は中納言典侍から自分が父となったことを知る。大宮は、生まれた赤ん坊が狭衣と似ていることに驚き七日の産養い(うぶやしない)の後、逝去。女二宮は母の四十九日忌を迎えて出家する。

冬になり、大宮邸へ行った狭衣は、女二宮に逃げられ、息子である若宮の泣き声を聞く。帰宅した狭衣は、叔母である大宮の喪に服した源氏の宮が雪山を作らせ富士にみたてた煙をみて、自分の思いを重ねる。

年が明け、帰京した道成から飛鳥井の女君について聞いた狭衣は、道成に与えた扇に女君が辞世の句を書いているのを見つける。

若宮は母である入道の宮と女三宮と共に宮中に戻る。五十日(いか)の祝いで若宮を初めて見た狭衣は入道の宮に文を送るも返しはない。

7月になり、帝は譲位して嵯峨に、九月になり、新帝の父・一条院が崩御、新斎院が服喪で退下し、源氏の宮を次の斎院にと託宣が下り、女三宮は斎宮になる。高野・粉河(こかわ)詣でをした傷心の狭衣は、飛鳥井の女君の兄の僧侶に出会い、女君が生きていると知る。

巻三


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